ホームセンターや100円ショップで販売されている結束バンドは、電気工事や建設現場で物を束ねる道具として使用されてきました。
ポリ塩化ビニール製で非常に耐久性が高く、アジャスター部分にはトラッキングと呼ばれる凹凸があることから一度ベルトを締めてしまうと外れないという特徴もあります。物を束ねることを用途にしていた結束バンドですが、最近では多種多様な素材で作られるようになり、その用途も大きく広がりを見せています。新たな使われ方の1つが、ソーラーパネルの固定に結束バンドを用いていることです。
この時使用するバンドは通常のものではなく、より耐久性を増してているナイロン12で製造されている太陽光パネル専用のものになります。サイズは10mmから最大で15cmの太いものまで用意されており、メガソーラーと呼ばれる大型パネルにも用いられるほどです。ナイロン12にはカーボンファイバーが含まれていることもあり、宇宙ステーションのソーラーパネルの固定にも使われています。
工業用道具の代表でもある結束バンドですが、医療業界でも用いられています。入院患者の氏名・病室番号を記載して腕に装着しているIDもまた、結束バンドを応用したものです。生活防水に優れ、一度取り付けるとハサミでカットしない限り取り外せなくなっています。医師や看護師はこのIDを確認して、医療事故を未然に防ぐようにしています。様々な用途があるバンドで、アイデア次第ではさらに活用できるものといえます。